悪女のルール〜男を翻弄する悪女は貴公子の溺愛からは逃れられない〜

彼は私の首筋にキスを落とした。
夏のせいで彼のキスはとても熱かった。
彼が私を欲しそうにじっと見つめる。

私はそれに気づかないふりをして微笑む。

馬から見る海の景色は絶景だった。
高さがある分、普通に見るより遠くまで見渡せるようだった。風が心地いい。

クルーザーを見た彼が言う。
「今度、僕のクルーザーにご招待します。一緒にディナーを」

「素敵ね、楽しみだわ」

「今夜はいかがです?」
彼はいつも約束をする時はとても早かった。
まるで私との時間が待ちきれないみたいにいつもすぐ会いたがった。
私は彼を焦らすために3日後を指定した。

「そんなに待てない」
と彼は言う。

砂浜を足を汚さずに進めるのは良かった。
波打ち際まで進んでも足が濡れることもない。
海が好きな私はとても気に入った。
潮風の中に入ったように潮の匂い、海の匂いがする。

「疲れたでしょう?もう戻りましょう」