悪女のルール〜男を翻弄する悪女は貴公子の溺愛からは逃れられない〜

シャワールーム。
私はドロータが用意してくれたお湯に彼に買ってもらったシャンパンを注ぎ込む。

彼がしつこく私から聞き出そうとして躍起になる姿を思い出しながら、彼がプレゼントしてくれたバスローブを脱ぐ。

裸の上に纏っていると、プレゼントに込められた彼の愛情が私に肌に染み込むようで官能的な気分になる。

湯船に浸かる。
シャンパンを湯船に入れると、小さな泡がジャグジーみたいになって気持ちいい。
そして肌がすべすべになる。

私は彼にしたあのマジックを、パリではワインで他の男にもしたことを思い出していた。
何度やっても女の秘密にたどり着けずに悔しそうに、だけど私に弄ばれていることを楽しそうにしている男たちはとても幸せそうだった。

彼は今頃まだこの秘密を解き明かそうと、凛としたあの眉をしかめて考えているのかしら。
そう思いながらうっとりと湯船に浸かる。