悪女のルール〜男を翻弄する悪女は貴公子の溺愛からは逃れられない〜

「こちらにはいつまでいらっしゃるんです？」

「そうね、夏が終わるまでかしら。モナコの海は夏が一番綺麗だから」
私は窓の外から見える昼の明るい海を見ながら言う。
大きな窓からは海が一望できた。バカンスに来ている人々のヨットがたくさん並んでいる。
どの男にもらったのかも忘れたショコラを食べながら。

「ではたくさん聞かせてくださいね、奥様の恋のお話！私はそれが一番楽しみなんですから」
ドロータは興奮したように私を見て言う。

私はふふっと笑いながら、
「いいわ。」
とショコラをつまむ。

私はドロータに話して聞かせた。
彼から逃げている最中に出会ったハンサムなフランス人の男のジャケットの袖に隠してもらったこと。