「ほーらー!榊っ!」


私は自分のアイスを榊のほうに、ぐいっと近づけた。


榊は押しに負けたのか、軽くため息をついて、ぱくっと私のアイスを口に入れた。


そしてその後に自分のバニラとラズベリーのアイスを口に入れる。


その瞬間榊の顔はわずかに輝いた。


「うま。」


「でっしょ〜!!100%美味しいと思ったもん!私がチョコを食べた瞬間にビビ、っと……」


ビビっときた。


そういおうとして途中で気づく。


あ、こ、これって…さ、さっき少しだけ考えた……


か、間接、き、きす…。


それを思い浮かべた瞬間、私は自分の顔がかああっと赤に染まるのを感じた。


そしてその反応に気づいた榊も、また私から視線を逸らす。


雰囲気違いなのはわかってる。


でも榊って照れると視線を逸らす癖あるよね絶対。


顔は真っ赤に、頭の中は真っ白に。


でも少しだけそんなことを思って、少しの沈黙があった。


「は、早く食え。さっさと帰んぞ。」


「う、うん。」


私と榊はお互い、どちらの顔も見れていなかったけれど


この時どんな顔をしていたか…それはお互いわかっている。