気づいたら私の分まで榊の口によって、店員さんに伝えられていた。


チョコ、か。まあいっかな。


食べたかったのはそうだし。


むしろ、決めてくれてよかった…。


だけど、待たされすぎて怒らせちゃったかな…?


何も聞かず決めるなんて、ちょっといつもの榊らしくない気がする…。


少し待つと、榊のダブルと私のシングルのアイスが店員さんに運ばれてくる。


私はそれを受け取り、チョコアイスを口にする。


「んま〜っ!……ん!これ中にチョコクッキーはいってる!」


口の中で溶けたアイスの中から、さくっとした食感のクッキーがでてきた。


味の相性も抜群だ…!


榊も美味しそうにアイスを食べているのかと、榊のほうを向く。


けれど榊はまだアイスを口に入れてなかった、


そんな榊をじっと見ていると、こちらに気づいた榊と目があった。


「榊!おいしい?」


私はとりあえずそんなことを聞いてみる。


けれど榊はそれに答えず、そのかわりに持っていたアイスを差し出してきた。


「ん?」


「食べたかったんだろ。食べれば。」


タベレバ…?


たべれば?


食べ、れば?


なにを?


榊のアイス?


「さっき、迷ってただろ。」


「え、っと…」


「あ、口はつけてねえから。」


いやそれは全くなにも考えていませんでした。


てか口つけてたら間接……き、……。


いやそれは今は考えないうん考えない。