「やーだ!私だってもっと食べたいもん!」


「はぁ…どれ食いてえの。」


「へ?」


「一種類だけ選べ、奢る。」


「え?いやいやいや。いいよ!買えるお金ないわけじゃないし!」


奢ってもらうなんてとんでもない!


「いいから、早く選べ。うまいスイーツの店色々連れてきてもらってるし、そのお礼。」


ん!?お礼!?


私が勝手に連れて来てるだけなのに…!?


……はいすいません。無理矢理連れてきている自覚はありました。


「あ、でも罰ゲームかけてるやつに奢られても迷惑か?」


「そんなことないです断じてそんなことないです。」


私は、榊がいった独り言かもしれない言葉に即座に反応した。


てかまず罰ゲームじゃないし。


「じゃあ奢らせろ。」


「で、でも…」


「奢らせてくんねえと、これからもう一緒に来れねえんだけど。」


「“これから”…?」


榊が何気なく発した言葉を私の耳は聞き逃さなかった。


「これからも一緒に帰ってくれるってこと!?」


「あ。」


榊は私がそういうと一瞬でやべ、というような表情に変わる。


「今のなし。」