「んま〜!おいしいねっ!榊!」


「…うま。やば…うま。」


声に出てると思ってないのか、ぶつぶつ「うま、うま。」って言いながらアイスを食べる榊を


眺めている私。


ふっふっふっ…私はちゃぁんと榊が甘いもの好きなのを知ってるんだよなぁ…!


クラスの多くの人は榊の性格やら、顔やらで、榊は甘いものが苦手!


コーヒーは絶対ブラックで飲んでる!


っ思われてるっぽいけど…榊は毎週コンビニのスイーツをチェックしている甘党の中の甘党。


私も甘いものは大好きだし!放課後一緒に帰るのしぶられ気味なときはこうやって誘ってるんだ!


え?いつもしぶられてる?なわけないじゃん!時々だよ?


「…俺もう一個食う。」


「じゃあ私も食べよっかな!」


「やめとけ。」


「へ?なんで?」


「金、ないって言ってたろ。」


「あれ、今日そんなこと言ったっけ?」


たしかに、今金欠なのは本当だ。


そろそろ今月のお小遣いが無くなりそう…結構やばい。


でも何でそれを榊が?


「今日じゃない…」


「え?」


「前、一昨日…ケーキ食った時。」


うーむ…そんなこといったっけなあ…


心当たりがなくて、頭をうーんと捻らせる。


……あ!もしかして…


『おいしーね!榊!』


『ん。うまい。』


『にしても、こんなに美味しいと困っちゃう。そろそろお小遣いも底をつきそうなんだよねー!』


『へえ。』


あのとき…かな?


明らかに榊は興味なさそうだったし、私もネタみたいな感じで話していた。


あのやりとりを覚えていたってことだよね?


しかも、私のお財布の心配まで…!


これって実質私のこと心配してるよね!?


あーまってうれし!!!


「思い出した!でもいーのいーの!榊とスイーツ食べるために、私のお小遣いはあるんだから!」


ほんとは好きな作家さんの新作がもう少しだから、それ用のお金も用意しときたかったけど…


榊との時間には変えられないし!


「いいから、やめとけ。」