でも、わたしには堂々と希美ちゃんと友達だと言える自信がなかったのだ。
「じゃあね、鈴香ちゃん」
「また明日ね、希美ちゃん」
校門を出て、わたしと希美ちゃんは反対方向へと向かって帰宅する。
もうすでに辺りは暗くて、たった10分の帰宅時間も長く感じられた。
ちょうど翔哉くんの家は、学校からわたしの家までの道のりの途中に位置している。
今までよりもたった半分の時間で着くのに。
今日はやけに長く感じられた。
コツン、コツン――
大通りを抜けると、住宅街に入る。
ここは小さな街頭くらいしか灯りがなくて、自然と足早になる。
それに、さっきから
コツン、コツンと、後ろで誰かが歩いている足音が聞こえている。


