このデコボコなグループは、果たして無事に役割を終えられるのか。



「そう言えばさ」


2階に上がろうとしたとき、わたしの後を追ってきていた翔哉くんが声をかけた。


「放課後、何話してた?」

「え?」


翔哉くんはわたしの目を見ない。

しかも、かゆいわけではないだろうに、頭をポリポリ何度もかいている。


「あの、転校生と」

「灰谷くん?」


名前を呼ぶと、翔哉くんの眉が少し動いた気がした。

頷いた翔哉くんは、一瞬だけわたしと目を合わせる。


「灰谷くん、美術部に入りたかったみたい。今日は初日だったから、美術室まで案内してたの」

「へえ……」


そして、急に言葉を失った翔哉くん。