同居人は無口でクールな彼




「おかえり、鈴香ちゃん。今日はすき焼きにしようと思うんだけど、それでいいかな?」

「ただいま、おばさん。すき焼きですか?大好きです」


家に帰ると、笑顔でおばさんが出迎えてくれる。

この家でお世話になってもう1週間以上になる。

だんだんこの家にも、おばさんたちとの会話にも慣れてきた気がする。



「それはよかった。ところで、鈴香ちゃん」

「なんですか?」

「今日は宿題出てる?」

「宿題というか、予習が出てますよ。英語の」

「英語の予習ね。翔哉はやってるのかしらねえ。どう?鈴香ちゃん、翔哉、学校で怒られてない?」

「怒られては……ないです」


歯切れが悪くなったのは、本当のことを話しにくかったから。