だって、そのほとんどが日直を代わってもらいたいという理由だから。
でも、今日話しかけてきたのは、転校生の灰谷くんだった。
「村田先生から聞いたんだけど、野々村さんって美術部なんだよね?」
「え……」
「あ、ごめんね。俺、美術部に入りたいんだけど、先生に話したら野々村さんが美術部に入っているって教えてもらって。野々村さんの名前は聞いてたから、あとは座席表見て声かけたんだ」
「あー」
そういうことだったんだ。
あまりにもわたしが怪訝そうな表情をしていたのか。
灰谷くんは弁解するように、慌てて続けた。
「俺も一緒に部活行ってもいい?美術室だよね?まだ教室の場所わからなくて」
「あ、うん。いいよ」


