同居人は無口でクールな彼




渡された1枚の用紙は、今朝提出したばかりの書類だった。



「保護者のサイン書いて出してって」

「あ……」

「すぐにサインが無理そうなら、学校に電話が欲しいって言ってた」


お礼を言いながら、例の書類を受け取った。

その様子を希美ちゃんは、わたしたちを交互に見ていた。



「あの……」


あまりの不思議さに、すぐに言葉が出てこなかった希美ちゃん。

わたしたちを見つめたまま、申し訳なさそうに希美ちゃんは声を出した。


「鈴香ちゃんと篠原って仲いいの?」

「え……」


まさかの質問に驚いてしまって、思わず翔哉くんと目が合ってしまった。

そして、慌ててわたしはぶんぶんと首を横に振った。