「わたしも翔哉くんが好き」


あふれてくる涙を抑えることができなくて――

周りからの視線をさけるように、翔哉くんはそっと盾になってくれた。


そういうところも、好き。

ぎこちない優しさが好き。


「来年は、彼女としてここに応援に来て」

「うん……っ」

「今度は優勝するから」


行こうと、差し出された翔哉くんの手を取って、わたしたちは歩き始めた。


もうわたしたちはただのクラスメイトじゃない。

友達でもない。

同居人でもない。


わたしは、正真正銘、翔哉くんの彼女になった。



バスに戻ると、先に戻って来ていた多くの生徒から歓迎を受けた。