「あのね、翔哉くん。練習見に行ってもいい?」
「え?…………いいけど」
「あ、でも無理ならいいの」
翔哉くんは“いい”と言ってくれたけれど、その間が気になった。
あまり来てほしくないのかもしれない。
「いや、いいよ。見に来て」
後ろでのんちゃんが、「じゃあ、私も見に行こうかなあ」とはやし立てた。
でも、その日の放課後、のんちゃんも灰谷くんも一緒には来なかった。
きっと、わたしと翔哉くんを2人きりにしようとしてくれたんだと思う。
言葉にしなくても伝わってくる。
2人がわたしを応援してくれていることが――


