「そんなに焦ることないよ。まずはいろんな職業とか大学とか調べてみたら?興味持てるようなものがあるかもしれないよ」
将来を考えることに至っては、のんちゃんはわたしのはるか先を歩いている。
本当にすごいなあ、のんちゃんは。
「みんな来んの?」
いつの間にか将来の話に話題が移り変わっていたけれど、翔哉くんの登場に思い出すことができた。
どうして黒板前にやってきたのかを。
「うん、もちろん行くよ」
「ふーん」
「篠原くん、ちょっと照れてる?」
「照れてねーし」
応援に来てくれることがうれしいのか、少し笑みがこぼれていた。
いつもなら照れていることを指摘されたら拗ねるのに。
まだ笑顔のままだ。
やっぱり応援に行くことを決めてよかった。


