「それでは空手部の全国大会に応援に行きたい人は、黒板に貼ってあるプリントに名前を書いておいてください」
夏休み中の登校日に、担任の先生から連絡があった。
空手部の全国大会の応援希望を募るということを。
もちろん、翔哉くんは順調に勝ち進んで、全国大会への切符を手に入れている。
わたしはどうしても応援に行きたかった。
きっとのんちゃんも灰谷くんも一緒に行くことになるはず。
「鈴香ちゃんも行くでしょ?」
先生の話が終わると、わたしたちは黒板前に自然と集まっていた。
「もちろん。のんちゃんは?」
「もちろん行くよ。空手の大会なんてめったに見られないから、参考資料として残しておきたいしね」
「のんちゃん、相変わらずだね」