「…………やだ」


やっぱり言うと思った。

それに、今の言い方……!

“やだ”って可愛いんだけど……!


「漫画の資料にしたいの!お願い!」

「…………」

「わかった!鈴香ちゃんが撮るんだったらどう?」


ちらりとわたしの方を見て、考えた翔哉くんは渋々うなづいた。


のんちゃんの役に立てたことはうれしいけど……

わたしが翔哉くんの水着姿を写真に撮るの!?


どうしよう……緊張で手が震えちゃいそう。


「鈴香ちゃん、結局どんな水着にしたの?」


プールは学校から案外近くにあって、わたしは緊張がおさまならない中、のんちゃんと更衣室に。


「あのね、これ……」

「あー!かわいい!花柄だね!ビキニやめたんだ」

「だって、恥ずかしかったから」