「じゃあ、プールにする?」
「ダメダメ。公平にみんなが行きたいところを出し合ってジャンケンしよう」
のんちゃんはそう言ってくれたものの、わたしは特にここに行きたいという場所がなかった。
そんなことを考えて、モタモタしているうちに、わたしはいつの間にかカラオケ担当にされていて……
「漫画描いてたんじゃねーの?何してんの」
冷めた様子の翔哉くんが登場したことにも気づかなかった。
「今度の日曜日に遊びに行く場所を決めてるの」
「へえ」
「篠原はどこ行きたい?」
「別にどこでも」
「じゃあ、篠原はボーリング担当ね」
「…………」
有無を言わさないのんちゃんに圧倒されたのか、翔哉くんは押し黙ってしまう。
あまりにものんちゃんが楽しそうだから、わたしも口は出さなかった。


