わたしの言葉に、言い返せない翔哉くんは、無言で予定表をしまっただけだった。
「鈴香ちゃん、言うようになったねえ」
「なんだか、一皮むけた感じがするよね」
クラスメイトの態度が変わったように、わたしたちにも変化があった。
灰谷くんはクラスメイトと一線引いて接するように。
のんちゃんは、自分の趣味を堂々と言えるように。
翔哉くんはみんなと行動するように。
そして、わたしは、言いたいことが言えるように。
この変化は、わたしたちにとってとても大きなものだった。
「あの……希美ちゃん」
そろそろお昼休みが終わるという頃、2人組の女の子が話しかけてきた。
この前の事件の時に、周りで傍観していた子たちだ。


