「野々村さん、どうしたの?そんなの拾って」
「…………ひどい」
この漫画には3人で頑張った思い出もたくさん詰まっている。
それをこんな風に、するなんて――
「のんちゃんの漫画、こんなにするなんてひどい!」
こんなにもわたしが声を荒げたことなんてなかったからかもしれない。
言われた本人は、驚いて固まっていた。
「どうして、こんな……」
「目障りなのよ。こんなもの視界に入れられて」
「こんなものだなんて……これはわたしにとっても大切なものなのに!」
「なに、野々村さん。あなたもこんなのが趣味なの?」
「わたしはのんちゃんの絵が好きなの!漫画が好きなの!」
のんちゃんの好きなこと――
わたしの好きなものに、こんなひどいことを言うなんて。
許せなかった。


