そして、無情にも時が経つのは早いもので……
あっという間に別れの日がやって来た。
「いよいよ明日ね。鈴香ちゃん、今日は最後の晩ごはんだから、お寿司とっちゃった」
そう――
わたしは明日、自分の家に戻る。
3ヶ月近くお世話になったこの家ともさよならをしなければならない。
親切にしてくれたおばさん、おじさんとも……
それから、翔哉くんとも――
「鈴香ちゃん、明日はおばさんが家まで送っていくわね」
「大丈夫ですよ!お母さんが迎えに来てくれるみたいなので」
1人で運べなくもないけれど、ここへ来るときもお母さんが一緒に荷物を運んでくれた。
帰りも迎えに来てくれると、数日前に連絡があったのだ。
「それ断っといて」


