その頃の空き教室では、2人の会話が続いていた。 「よかったの?灰谷。応援しちゃって」 「まさかまた篠原くんとって言うつもり?」 「ちがうちがう。好きなんでしょ?本当は」 「……さあね」 「灰谷も人がいいよね」 「俺はただ幸せになってくれればそれでいいから」 こんな会話が繰り広げられていたことを、わたしは知らない。