同居人は無口でクールな彼




「そんなことするわけないでしょ。私は鈴香ちゃんの味方だからね」

「俺だって鈴香ちゃんの味方だし!分かんないけど、がんばれ、鈴香ちゃん」

「……わけも分からず応援するとは……」


あきれ顔ののんちゃんは、大きくため息をついた。

灰谷くんにも一緒に聞いてもらえばよかったかな。

仲間外れみたいになっちゃって、少し後悔した。


「あ、そうだ。鈴香ちゃん。さっき担任の横田先生が来て、面談希望の紙出てないって探してたよ」

「あ!そうだ!忘れてた!わたし、ちょっと職員室行ってくるね」


一週間前に配布された夏休みに行われる三者面談の日程希望用紙。

お母さんに日程を確認して、ようやく出せるはずだったのに。

うっかり朝提出するのを忘れていた。


慌てて、教室を飛び出して、その用紙を取りに行った。