同居人は無口でクールな彼




「それはトーク画面を見ても明らかだった。全部俺からだったんだ。俺から声かけないと、だれも俺には話しかけてなかった」


灰谷くんには、友達関係の悩みなんてないと思ってた。

全てが順調だと――


だから、こんなことを思っていたなんて信じられなかった。

そして、顧問の先生が部活終了の声かえをして、会話が一旦中断した。

周りの片付けに合わせて、わたしたちも道具を片付けていく。


「だからかな。篠原くんと友達になりたいと思ったのは」


灰谷くんには片付けながら、ふっと笑った。


「篠原くんって人は人と自分は自分って感じで、言いたいこともはっきり言うし。


そういうところがかっこよく見えたんだよね。俺は人の目をすぐに気にして、だれからも好かれようとしてたから」


灰谷くんの言いたいことは、とても理解できた。

だって――


「わたしもそう……」

「うん」

「わたしも翔哉くんのそういうところに惹かれたんだと思う。わたしに無いもの持ってて」