同居人は無口でクールな彼




そして、次の日曜日。

とうとうお母さんが一時帰宅する日がやって来た。

朝早くからお母さんからのメッセージが鳴りやまない。


“今から家出るよ”とか

“今から新幹線にのるよ”とか

“もうすぐ駅に着くよ”とか――

現状報告が鳴りやまなかった。


「優ちゃん、迎えに来てくれてありがとうね」


おばさんの車で駅まで迎えに来たわたしたち。

お母さんの“今着いたよ!”のメッセージが来て間もなく、おかあさんはやって来た。


「友ちゃん、いいのよ。旦那さんは大丈夫なの?」

「だいぶね。半日くらいなら1人で何とかするから行ってこいって言ってくれてね」


わたしと翔哉くんが後ろの座席に座って、おかあさんは助手席に乗り込んだ。

そして、少しおばさんと会話をすると、後ろを振り返ったのだ。