「そんなこと言ってないでしょ。篠原だって170後半はあるでしょ?別に低くないじゃない」
確かに翔哉くんは背が低い方ではないと思う。
ただ長身の灰谷くんと比べると低いと思われてしまうだけ。
こうして、男女の構図はわたしと翔哉くんが担当することになった。
だけど――
「鈴香ちゃん……もう少し近づいてくれない?」
「あ、うん……」
一歩右にずれて、翔哉くんと近くなる。
「……鈴香ちゃん、あの……離れすぎてるからもう少し……」
「あ、うん……」
どうしよう。
さっきまで普通にできていたのに、突然緊張してきた。
翔哉くんと2人で漫画の構図のモデルをすることに。
しかも、2人で写真を撮るだなんて。


