また始まった。
のんちゃんと灰谷くんの、このやり取り。
もう2人の鉄板のネタみたいになってる気がする。
「ねー、このシーン鈴香ちゃんも手伝って」
「え?うん、いいけど……」
女の子が出てくるなら、わたしが協力しないとね。
「えーっと、相手の方は灰谷……といきたいところなんだけど……」
のんちゃんはわたしと灰谷くんを交互に見て考えている。
きっと漫画の構図を頭で考えているんだと思った。
「鈴香ちゃんと灰谷だと身長差ありすぎかあ。漫画描きにくいから、やっぱり篠原で」
確かに灰谷くんは背が高い。
前に聞いたときに、180は越えていたと思う。
「……俺の背が低いって言いたいのか」
気にさわったのか、のんちゃんを睨む翔哉くん。


