たまたま近くを通りかかった人たちは、何をやっているのかと不思議そうに見ていた。

でも、わたしたちはそんな視線はお構いなしに写真を撮り続けたのだ。


「実はねこのシーンの前に、女の子と2人でポスターを貼るシーンがあるんだけど」

「ポスター貼るシーン長いね」

「まあね。女の子と2人で仲良く貼ってるところを目撃して、嫉妬しちゃうっていうシーンなの」

「同姓が好きな人でも、異性に嫉妬しちゃうことってあるの?」


ただの純粋な疑問だった。

友情でも嫉妬をすることがあるらしいから、あり得なくもないけど。

わたしにはよくわからない感情だった。


「さあ?あるんじゃない?ねえ?どうなの、灰谷?」

「なんで俺に聞く」

「だって、気持ちわかると思って」

「だから、ちがーう!」