「りょーかい」

「ポスターが最初丸められてるっていう設定だから、篠原はポスターの下の方を手で押さえる感じで」


さすがのんちゃん。

細かい設定まで決められていて、どんどん指示が飛んでいる。


「俺、まだやるって言ってないんだけど。それに、なんなの、これ」


翔哉くんは眉をひそめて、不思議そうな顔をする。

まだ状況読み込めてなかったんだ。


少し戸惑っている様子の翔哉くん。

少しかわいかった。


「いいからやって!あとで、ジュースおごるから」

「……別にのど乾いてない」


でも、翔哉くんはのんちゃんの勢いに負けて、渋々ポスターに手を掛けた。


でも――


「篠原!もっとちゃんとやってよ!灰谷をドキドキさせる感じで」

「……意味わかんねーし」