出来ればモデルは男子2人の方がいい。

だから、みんなで翔哉くんを注目していたのだけれど――


「なんでいつも、俺の席に来るわけ?」


翔哉くんは、一人だけ会話の論点がずれていた。

でも、わたしたちはそんなことお構いなしに、いつも翔哉くんの席に集まる。


だって、ここじゃないと、翔哉くんは席から動こうとしないんだもの。

それに、わたしたちが4人でいるときは、誰も話しかけてこない。

だから、わたしたちはあの日からずっと4人でいた。


「昼休み終わるまでまだ時間あるから、早速行こう」

「誰かカメラ持ってる?」

「持ってるわけないじゃん。スマホでいいんじゃない?」

「篠原も早く!手伝って」


のんちゃんは無理やり翔哉くんを立たせると、急いでスマホを取りに席に戻った。