それから、クラスの雰囲気は一変した。

あんなにのんちゃんの席に集まっていた女子たちは、だれ一人として来なくなった。


灰谷くんは誰とでも分け隔てなく話をするけど、結局は決まったグループに戻ってくる。

そう……わたしたちは4人で行動を共にするようになっていたのだ。


「ねえ、例のあれなんだけど。2人でポスターを貼るシーンがあるの」

「俺無理かも。鈴香ちゃんはいける?」

「写真があれば」

「だよなー。俺も」


わたしたちは、のんちゃんの希望通り漫画のことは一切口に出さずに、会話をする。

不思議だけれど、なんの打ち合わせもしていないのに、通じるんだ。


「写真取らないとね。灰谷と篠原にお願いしたいんだけど」

「俺は大歓迎!だけど……」


のんちゃんが描いているのはBL漫画。