わたしもつられて、数学のテキストを出していた。
「篠原、数学やるんだ。私も苦手だからご一緒する」
「じゃあ、俺もー」
結局みんなで数学から始めることにした。
「ねえ、鈴香ちゃん。この問題なんだけど、どうやるの？」
「どれ？あー、これね。この問題は、こっちの公式を使うといいよ」
「あー、ほんとだ。普通に代入できるじゃん」
勉強会をはじめて、わかったことがある。
のんちゃんが本当に数学が苦手だということ。
それから、翔哉くんも。
あと、灰谷くんは結構勉強が得意みたいだった。
「のんちゃん、その問題は基本だからおさえておいたほうがいいよ」
「そんなこと言われなくてもわかってる」
「なんか、のんちゃん、日に日に俺に当たり強くなってない？」
