「わかった。そういうことなら、全力で篠原くんと友達になる」
「灰谷、鈴香ちゃんの話を聞く前から友達になる気満々だったじゃない」
「まあね」
それにしても、翔哉くん、来るの遅いな。
スマホを見ても、通知は来ていない。
既読になっているから、勉強会の場所は分かっていはず。
やっぱり来たくなかったのかな。
そんなことを考えているときだった。
不機嫌そうな翔哉くんが入ってきたのは。
「あ、翔哉くん……」
「し、篠原くん!」
わたしに続いて、少し緊張気味の灰谷くんが彼を呼んだ。
しかも立ち上がって、興奮もしているみたい。
本当はどこかで来てくれないんじゃないかって思ってた。
でも、翔哉くんは来てくれた。


