「俺だって男……だし」
しんと、静まり返った部屋が気まずさを強調している。
まさか、翔哉くんからこんな発言が飛び出すとは。
予想外の展開に何も返せなかった。
翔哉くんにとってわたしは、そういう対象になりえるってことだよね……?
「翔哉くん、単語は覚えてる?」
「まったく」
授業で単語テストをよくやっているけど、この返答は想定内だった。
「まずは単語から覚えた方がいいね。単語の問題も必ず出るから、そこ覚えたら10点は確実だよ」
「ん、じゃあ、やる」
やり始めてすぐにわかった。
翔哉くんは勉強をしないだけで、やれば出来る人だって。
もったいないなあと思いながら、わたしに出来るアドバイスをしていった。


