そう言えば、家に入ったとき。
翔哉くんは英語のテスト範囲を聞いたっけ。
英語が1番まずいから、聞いたのかな。
そんなことを考えながら、わたしも英語のテスト勉強が出きるように、一式机の上に並べた。
「ねえ、やっぱり上でやった方がいいんじゃない?」
翔哉くんが戻ってきて、気になったことを聞いてみた。
毎回道具を取りに行くのは、効率が悪いと思ったから。
「いや、ここで」
頑なに意見を変えない翔哉くんに、理由を聞いてみた。
そうしたら――
「野々村さんさ、あんまり男の部屋にポンポン入らない方がいいよ」
「え?」
翔哉くんはそういうことを、気にしてないと思ってた。
わたしのことを、そういう風に見ていないと思ってた。


