「翔哉くん、テスト勉強大丈夫?」

「……たぶん」

「分からないところあったら教えようか?」


普段から勉強はしていたから、そこまで焦らなくても大丈夫そうだし。

気づいたら無意識のうちに、こう提案していた。


「それは……助かる」


確か運動部は赤点とったら、顧問から大目玉を食らうと聞いたことがある。

もしかして、翔哉くんの空手部もそうなのかな。


「じゃあ、翔哉くんの部屋に行ったらいい?」

「あ……」


なにかを考えている翔哉くん。

わたしの提案、なにかまずかったかな。


「翔哉くん……?」

「やるのは、リビングで」

「え?リビング?」

「じゃあ、リビング集合で」

「翔哉くん……?」


わたしに有無を言わさず、翔哉くんはとっとと部屋に入ってしまった。