同居人は無口でクールな彼




「おいおい、のんちゃんはすぐ自分の漫画に結びつけるな」

「まあね。使えるものは使わないと」

「はいはい、頑張りますよ」


灰谷くんには言えなかった。

翔哉くんが友達を作る気がないということ。


友達を持つ必要性を感じていないこと。

もしかしたら、どこかで感じているかもしれない。


だからなのか、わたしは伝えることが出来なかった。


「せっかく文化祭の班一緒になったしね」

「あー、そうだね。灰谷は他の班に行くのかと思ってたけど」

「最初から篠原くんと同じ班にしようと思ってたから」

「やっぱり、灰谷……そういう……」

「はあ!?違うって、のんちゃん!」


しばらくこの2人のコントは続きそうだった。

でも、楽しいから良いとしよう。