そう言えば、そうだった。
すっかり忘れていたけれど、以前に下駄箱で翔哉くんと2人でいるところを希美ちゃんに見られた気がしていた。
あれは、やっぱり見間違いではなかったんだ。
「やっぱり、あれ希美ちゃんだったんだ……」
「もしかして鈴香ちゃん、気づいてたの?こっそりあとつけてたつもりだったんだけど」
「うん」
希美ちゃん、こっそりつけてたつもりだったんだ。
結構姿は丸見えだった気もするんだけど。
「野々村さん、同居は大丈夫なの?」
「え?」
ふいに、灰谷くんが聞いてきて、思わず聞き返してしまった。
「同居人、篠原くんなんでしょ?うまくやってるのかなって」
灰谷くんはまだ転校して間もないのに、ほとんどのクラスメイトと仲良くなっている。


