同居人は無口でクールな彼




全員でドリンクバーを注文して、飲み物がそろったところで、わたしは話し始めた。

もちろん、お父さんが怪我をした経由も含めて。


「それでね、お母さんの知り合いの家に数ヶ月お世話になることになったの」

「そっか。鈴香ちゃん、大変だったね。でも、それと昨日の件ってどんなつながりが……」

「実はそのお母さんの知り合いっていうのが、翔哉くんのお母さんだったの」

「翔哉ってだれ?」


そう言えば、クラスのみんなは彼のことを名字で呼んでいたっけ。

つい、下の名前で呼んでしまったから、誰か分からなかったみたい。


「篠原くんだよ。篠原翔哉くん」

「え!?篠原ってあの!?だから昨日……!?」


希美ちゃんの中で何かが繋がったようだ。

驚いた様子も見られたけれど、それはすぐに納得の表情に変わった。