「灰谷、説明するよ。入ってきていいよ。でも、ドアはちゃんと閉めてね」
本当にいいのかな。
あんなに漫画見られるの嫌がっていたのに。
「もしかして佐藤さんも絵描くの?」
「まあね。私の場合はこれだけど」
そう言って、希美ちゃんはカバンの中から、漫画の原稿を取り出した。
しかもとても気にしていたBLの漫画。
「え!?佐藤さん漫画描いてんの!?」
「まあね」
「すげー!」
灰谷くんは希美ちゃんの漫画を興味津々で、ペラペラとめくり始める。
目の前の希美ちゃんは緊張しているようで、こっちも心拍が上がっていった。
「ねえ、希美ちゃん。よかったの?漫画見せちゃって」
「うん、まあね」


