どうやら希美ちゃんの言うように、灰谷くんが呼んでいたのはわたしだったみたい。
いったいどうしたんだろう。
「今日って部活ない日だよね?」
「うん、ないけど。どうして?」
「昨日もなかったよね?でも、野々村さん、昨日ここで何か描いてなかった?今日も何か作業するのかと思って」
「え!?」
もしかして、昨日ここで希美ちゃんと作業していたところ見られてた!?
慌てて希美ちゃんの方を見ると、目を丸くして言葉を失っていた。
どうしよう。
希美ちゃんの漫画のことは内緒だから、バレないようにしないと。
「えっと……」
こういういざというときに限って、何もいい言い訳が思いつかない。
お手上げ状態で振り返ると、あきらめた表情の希美ちゃんと目が合った。


