再会した幼馴染に溺愛されています。


「おいっ!嫌がってんだろ、見てわからないのか?」


私が諦めかけてつい井出くんの言いなりになっちゃいそうになった時、一番聞きたかった声が聞こえる。


そこには見慣れたつもりになっても見たらドキドキしちゃう姿がある。


「冬馬!なんでここに……」


「まだ予定の時間に余裕あったから心配で来てみたら……案の定このザマ」


冬馬はため息混じりで言う。
断りきれなくてごめんね。


でも冬馬が来てくれて安心……ヒーローだよ私にとって。


「滝口……昼の時は見逃してやったけどもう我慢ならねえぞ?」


「ほう……どうしてくれるんだ?」


なんか怖いよ……。


二人とも私と話す時のトーンじゃなくなってる……男子のこういう雰囲気に慣れてないから余計に怖い。


「お前が転校して来た時から気に入らなかった、クールぶってカッコつけやがって」


「俺も同感だ。女の目線ばかり気にして馬鹿みたいな事してるお前にな」


井出くんは指をポキポキ鳴らして冬馬に近づいている。


こんなドラマみたいな行動ってほんとにする人いるんだね……