先生に放課後居残りを命じられてから早二週間ほど経つ今日、突然放課後の終わりを告げられた。


「まあでも良かったじゃん、めんどくさい作業ともおさらば出来る」


「そうなんだけどね……」


冬馬はそう言うけど私は悲しい。


色々とお互いを知れてきて、これからって時だったのに。


休み時間とかの冬馬はツンツンして冷たいから私も話しかけづらいし。


「アキ、お前さもしかして今後これが無くなるの悲しいのか?」


「そんなんじゃないよ……ひゃっ」


色々思い出したり考え込んで目も合わせず答えると、突然冬馬は私を抱きしめる。


たくましくて優しい胸……ものすごく安心出来る場所だ。


ドクンドクンという音も近くに聞こえる。
冬馬も緊張とかするのかな?


「こんなの無くなっても放課後一緒に帰ったり出来るだろ?」


「ち、近いよ冬馬!……冬馬」


後ろから抱きしめながら冬馬は至近距離で耳打ちをしてくる。


吐息が耳にかかりくすぐったい。