「いっそお姉ちゃんから告白したら?どうせどっちからもまだ言ってないでしょ」
「うるさいなあ〜。自分の部屋で彼氏と電話でもしてなよ」
そんな簡単に好きなんて言葉を口にできるなら苦労はしないよ。
恥ずかしすぎる……たかが妹なのになんで姉の私が追い込まれてるんだろう。
「さっきまで彼氏の家に行ってたから電話なんてしなくていいもーん!」
「あーそうですか。とりあえず部屋でマンガを読みなさい!」
ふとその場で座り込んで本を広げている夏菜に気付きそう言う。
ここでくつろぐ気満々じゃん!
「だってお姉ちゃん、あんなカッコいい人なんだからモタモタしてると取られちゃうよ」
「えっ!?それはやだ……」
「やっぱ好きなんじゃん。相変わらずチョロいなお姉ちゃんは」
やられた……。
華麗な誘導だったよ、この小悪魔め。
一瞬だけ冬馬が他の女の子と歩いてるのを想像しちゃったけどすぐに消し去った。
考えたくもないよ。
