再会した幼馴染に溺愛されています。


「はあ……」


私は冬馬の姿を見送ってから部屋に籠る。
お気に入りのぬいぐるみを抱きしめ膝を抱えていた。


開放してる窓から夜風が流れ込み心地良い。
夏の夜って好き。


「お姉ちゃん〜入るよ〜」


入るよと言い合える前に夏菜はドアを開ける。
聞いてる意味がない……。


「夏菜!せめて私が返事してから入ってよ」


「そりゃ失礼しました!ところでこのマンガ借りてくよ〜」


夏菜は悪びれもしないような言い方で謝ると私の好きな少女マンガを手に取る。


「お姉ちゃん、今キュンキュンして切ないでしょ?」


「はあっ!?用が済んだらもう出てってよ」


相変わらず夏菜は鋭い。
誰に似たんだろうか……


「さっきなんてカッコいいお兄さんと手なんて繋いじゃって……」


夏菜はニヤニヤしながらそう言う。
なんか冬馬と少し似てる部分があるかも……。


それよりも見られていた事に対して焦る。
嫌な汗が出てきた……。


「な、何見てるのよ!あれは違うよ……その……」


「はいはい、あんな幸せそうな顔しといて何言ってんだか」


半袖にショートパンツなのに暑いです。
すごく。