集まっていた人が大通りを抜けて帰って行くのが公園からも見える。


人混みが嫌いな冬馬に私も同意してもう少しこうしてる事になった。


私だってまだ一緒に居たいから……。


「……ほとんど居なくなったみたいだな。」


「ほんと……さっきまでの混み具合が嘘みたいに思うよ。」


あんなにガヤガヤと賑わっていたのに今は静寂と……たまに風の音が聞こえるくらい。


「なんかものすごく寂しい感じがするね……」


「そうだな。さっきまでのギャップに着いていけないかも……アキといるから尚更そう感じるんだろうな。」


冬馬の言葉に私も同意して頷く。
みんな帰って行ったという事は、私と冬馬ももうすぐ離ればなれになると告げられてるようなものだから。


そして最後の夏としての大舞台の今日が終わる……つまりこの季節の終焉も感じてしまう。


冬馬と陽を避けながら歩くのも、こうやって浴衣に身を包むのもこれで終わりだと想うと心苦しいよ。