「アキ……」


冬馬は物欲しそうな目で見つめる。
そんな目で見ないでよ。


私だって冬馬が欲しい……受け入れたいけどここじゃダメ……。


「冬馬……これで我慢して……」


私はそのまま冬馬の顔に触れながら激しく絡み付かせる。


花火を見に来たはずなのにそれどころじゃなく、聞こえるのは花火の音も忘れるくらいの荒い吐息と恥ずかしい音だけ。


「分かってるよそんな事……アキが可愛すぎるから悪いんだ。浴衣なんか着やがって…」


少しでも可愛いと思われた事に再びドキドキして体が熱を持つ。
時折照らされる冬馬の顔がいつもより男らしく見える。


「そんな事ないよ……」


「俺の女はNo. 1だよバーカ。」


甘えるような顔を見せたと思うと今度はいつもの意地悪な冬馬。


私はもう深い愛に堕ちている。


どんどん引き込まれて、もう冬馬なしじゃ生きていけなくなっていたのは私の方だった。