再会した幼馴染に溺愛されています。


「冬馬……そんなに食べ切れるの?」


「夕飯もここで済まそうと思ってたからな。……にしても買いすぎた。」


冬馬と歩いているだけでものすごく楽しくて気が回らなかったけど、気付くと冬馬の手には複数の袋が握られてる。


クール男子もお祭りとなると予想外にはしゃいでしまうみたい。


「もしもの時は持ち帰るか……井出の奴に押し付けるよ。」


「それいいかも!井出くんなら全部食べ尽くしそう!」


想像してつい笑っちゃう。
いつの間にか井出くんは私たちのお笑いキャラになっている。


「流石に混んできたな……早めに買い出ししていて正解だった。場所移そうか。」


私たちが会場に来た時点でかなり混雑してたけど花火の時間が近づくに連れてどんどん人口は増えて、屋台は行列だ。


冬馬の提案に私は「うん!」と返すとまた手を握り冬馬にくっつく。


普段こんなに歩き辛くなるほどくっつく事は無いけど、夜っていう事もあって大胆に私は甘えちゃう。


このまま時が止まればいいのに……。