「君たちには分からないだろうが女で負った傷は女で癒すしかないんだよ。」


「それは一理あるかもしれないけど……。どうせ得意のSNSだろ?」


冬馬の話によると井出くんはSNSのプロみたいなもんだから至る所に出会いが転がってるらしい。


だからめちゃくちゃ決めた格好してるのね。
……なんで夜なのにサングラスなのかはあえてツッコまないけど。


「どうだっていいじゃねーか!そんな経緯くらい。」


「ここまで清々しい図星も珍しいな。早くその女の子のとこへ行ってやれよ。」


冬馬も自然のやりとりしてて楽しそう。
良いコンビになってきたね。


「言われずとも行くわ!じゃあ楽しんでくれたまえ!!」


井出くんは腕時計を確認するとそう言い残して足早に去って行った。


うまくいくと良いなあ。


でも今日ばっかりは他の事考えないで冬馬と思い切り楽しもう。


「というわけで、俺たちも行くか。」


「うん!!冬馬いこ!」


冬馬がそう言うと手を出してくるので私はそれを受け入れて手を繋ぐ。


私の夏はまだ終わらない。