「おい!誰がつまらない男だって?」
「祭りの初っ端から面白い事してるじゃねーか!俺も混ぜてくれよ。」
冬馬!
……と何故か隣にいる井出くんも指をポキポキと鳴らしながら近づいてくる。
でも助かった、やっぱり冬馬は私のヒーローだね。
いつも良いタイミングで助けてくれる。
「俺の女に何の用だ?」
「そうだそうだ、脇役は失せなさい。」
冬馬は怒りを感じさせる口調でそう言うと井出くんも続く。
めっちゃ頼もしいしかっこよく見える。
「何だよ……本当に男持ちかよ。」
「あーあ、つまんねえの。行くぞ。」
さっきの威勢はどこへやら。
彼らは二人を前にすると萎縮したように消えて行った。
見た目はあんなに恐いのに意外と臆病なのかな……?
「アキ、待たせて悪い。でも間に合って良かった。」
「良いの、これだけ混んでると見つけるの難しいから仕方ないよ。」
でもこんな状況で見つけてくれたのはめちゃくちゃ嬉しい。
